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ライフデザインとライフプラン

ライフデザインとは「個人の生き方」のことで、ライフプランの前提となるものです。たとえば、結婚をするのかしないのか、子供を持つのか持たないのか、会社員になるのか自営業者になるのか、といったことです。ライフデザインには、人それぞれの価値観や夢や目標が反映されます。

このようなライフデザインを具体化したものがライフプラン、つまり「個人や家族の長期の人生計画」「生涯生活設計」です。

なお、人生には、一般に、仕事に従事して働いている時期と、退職などにより仕事を離れて第2の人生を送る時期があり、第2の人生の生活設計を「リタイアメントプラン」ともいいます。

ライフプランの作成

ライフデザインが見えてきたら、ライフプランを作成します。ライフプランの作成にあたっては、一般に次の3つのテーマ(領域)があるとされています。

生きがい 人生を有意義に過ごすための、生きがいに関する活動計画です。人の生きがいには、「仕事」「趣味」「家庭」「地域活動・ボランティア活動」などさまざまなものがあります。
健康 健康増進や健康管理に関する計画です。「クオリティ・オブ・ライフ」といわれるように、明るく実りある豊かな人生を送るためには、健康の維持が必要です。
経済 現在および将来の資金計画です。将来必要となる資金額(教育資金、住宅資金等)や起こりうる危険(病気、事故等)に対する保障額を予測し、必要資金をどのように準備するのかを計画します。この資金計画を「ファイナンシャル・プラン」といいます。

ライフプランは、夢や生きがいといった精神的な面が大きな位置を占めますが、その基盤となるのは健康面や経済面です。この講座では経済面について、具体的には、人生で必要な資金の把握方法や資金計画の立て方、また、そのために必要な知識としてローン、保険、社会保険制度などについて学習していきます。

ライフプランの重要性

近年、ライフプランの重要性が高まっています。その背景には、次のような社会情勢の変化があります。

社会保障制度の変化 少子・高齢化の進展により、公的年金制度を中心とした社会保障制度の見通しが不透明になっています。一般に、公的年金だけでは老後の生活費の確保は不十分なため、不足分は自助努力により準備する必要があります。
雇用環境の変化 従来の終身雇用・年功序列型賃金制度から、成果主義へ移行するとともに、退職金制度を廃止する企業が多くなっています。また、転職は珍しくなくなり、雇用形態も正社員のほか、派遣・契約社員、パートなどさまざまな形態があります。
ライフサイクルの変化 ライフサイクルとは生まれてから死ぬまでの過程のことです。初婚年齢や出産年齢が高くなっていることや、平均寿命の延びに伴う老後期間の長期化など、平均的なライフサイクルは変化してきています。
家族構成の変化 ライフサイクルの変化に伴い、家族構成にも変化が見られます。社会保障制度や税制が前提とする「標準世帯(会社員の夫と専業主婦の妻と子供による世帯)」はもはや標準とはいえなくなっています。世帯割合をみても、夫婦と子で構成される世帯は減少傾向にあり、単身世帯が増加してきています。

以前の日本では、経済成長、終身雇用、右肩上がりの賃金、確実な退職金制度や公的年金制度などを背景として、会社や国の制度に依存して生活することができました。しかし、社会情勢の変化、個人の価値観の多様化などにより、近年では一人ひとりが、それぞれのライフデザインに基づく、それぞれのライフプランを作成することが重要になっています。

人生は必ずしも計画どおりに進むとは限りませんが、ライフプランの作成は、人生の目的やその目的実現のための方向性を明らかにすることができるため、充実した人生を実現する助けとなるでしょう。


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